2017/06/19

Femme magnifique





今日は、目の覚めるような美しいレモンイエローのパンツをお召しだった。




前回は吸い込まれるように美しく、深いグリーンのコーディネートでいらした。


トレードマークのブルーグリーンのアイシャドウ、
そして真っ赤なネイルに、ジュエリーも全て赤。





日本という枠を取り払い、
1ミリも感じさせる事なく、



比べることは私らしくないけれど、想像し易くするために、敢えて表現するならば



彼女のオーラは、普通ではない。

欧州にいても際立って目を惹くであろう。





ここは銀座。


やはりそこにはエレガントを伴った女性が集う。



それも素敵に歳を重ねた女性。






今日はゆっくりとお話する機会に恵まれ

75歳でいらっしゃることを知った。



素晴らしいと感銘を受け続けていた私に、
心を開いて下さったのか様々なお話をして下さった。




敢えて言葉にされなくともどれほど努力をされているか、努力という言葉が恥ずかしくなるほどに
その方には当たり前の生き方が、身体に染み渡っていて、

その美学がエネルギーで伝わる。

自然に圧倒されてしまう。







以前に出逢った別の女性。

オレンジレッドに染まったシルクのキャミソール。エレガントで繊細なレースを施した贅沢品とされるそのキャミソールを、ご主人と嬉しそうに選ばれたその情景が思い出される。



ブラック、オフホワイトと色がある中で


オレンジレッドは、今を楽しみたいから。

その理由で即決断された。





私ね、今を楽しみたいの。今を楽しみたいからオレンジにするわ。


そう仰り、
ジャケットのインナーとして、レースを少し魅せる着方をご主人にプレゼンしていた彼女は
80歳を迎える。




記憶に鮮明に刻まれる女性たち。




勝手な憶測に過ぎないけれど、
戦後の日本を懸命に立て直し、支えて来られた強く美しく素晴らしいこの2人の女性と私の美しい自慢の祖母も含め、


日本女性が目指すはここであろうと思う。




美しく生きることは誰にも遠慮をせずに生きること。大前提として精神が成熟していること。



履き違えてはならない。

美しさとは、誰に対しても遠慮はいらないが、他人への配慮や思いやりがあって成り立つものであること。



自戒をこめて。




二人のマダムへ敬意を表して。


2017/06/07

Sens




例えば月に一回美術館に行くよりも、


毎日お気に入りの洋服に袖を通し、

その素材の滑らかさであったり色の美しさやシルエットや、纏った瞬間から始まるうっとりする気持ちが
生きることへの感性を磨くのかもしれない。


洋服に限らず、ヒールだって同じく、



何か特別な日のために、ではなくて
毎日を生きる私たち。




そんなことを思い起こさせてくれた今日。






少しだけ気温が落ち着き、今日かもしれないと
オーダーをして先日届いたばかりのシルクカシミアのセーターに初めて袖を通した。




素肌に纏った時の心地良さと、身体に付かず離れずの絶妙なシルエットが気に入って、色違いでオーダーをした。




五感に訴えかける洋服。






近所に素敵なお花屋さんを発見し、

今日はベビーピンクのバラに決めた。




花を愛でる時間。


一つ、一つ、小さな幸せが重なり

美しいものを増やしていくことも、私が人生で愛することの一つ。