2017/12/30

synchronicity











愛する祖父が旅立ったばかりの


私の世界が止まっていたとまだ感じていた時




祖父の事を想い、お参りを終え


普段は入らないお店に入り、なぜだか分からないがふと立ち止まったその瞬間
その場所、私はスピーカの真下にいた。


そしてそこから突然流れてきた音楽に思わず、


祖父からのメッセージがあった。



"reborn"  




どれほど覚悟をしていても、
受け入れるには時間がかかる。
時間がかかるということはそれ相当の意味があるのだろう。

頭ですぐに整理できることが答えでも解決でもなく、
この感情を味わい尽くした先に、本当の答えが待っているのだと思う。

哀しみに打ちひしがれる日々は、より一層人の痛みを理解できるようになり

私をひと回りもふた回りも成熟させてくれる。





病室での二人の時間が、どれほどかけがえのない、そして決して忘れることの出来ない時であったことか。



その時間が祖父からの最も大きなギフトであったのだと思い起こさせてくれた。






2017/10/25

命ある限り








生きている限り、


私たちは愛を伝えることができる。




生きている限り、


どんなに離れていても地球にいるならば

逢いたい人に逢いに行くことができる。





生きている限り、


私たちは、目の前にいる人の為に言葉を発し、想いを伝えることが出来る。





100年近くの時を過ごしてきた、私の美しい祖父と祖母の生きる姿を通して



私は今、どれほどの勇気を貰い、

どれほどの学びの機会を与えられていることだろう。






精神世界においては、この世を終えてもまだ続きはあるけれど



身体を授かり、この世に生まれてきたことの意味、


それは想いだけでなく
手を動かし、足を動かし、行動する事に意味があるから。




愛を身体全体で感じることができるから。







いかなる状況であろうとも


今を懸命に生きようとする祖父と祖母の姿を通して




命ある限り、


何かを
諦める必要はなく、
怖れることもない、


命ある限りは


何だって出来る。



それは結果という目に見えるシンプルなことではなく、到達するまでの過程において、最も大切なことを学ぶことが出来るから

過程において勇気を持って一歩踏み出すこと。




美しいメッセージを

今この瞬間に感じとり生きていけること






仕事の調整が不可能なスケジュールであるこの一カ月の中で

家族へは、もしもの前には連絡が欲しいと伝えていた。

神様の采配としか思えぬ程、私が動ける唯一の日に、動きが起こり

私はその都度愛を感じることができた。





人生とは奇跡の連続で、
愛に溢れているもの。





その愛を、私はこれからもずっと



強く信じ、生きていくだろう。














2017/08/10

Mon travail





学生へ向けた会社説明会の中で、

これまでのキャリアについて話をする事になった。




目の前の学生たちが一番知りたいであろう事を思い浮かべながら、

私はこれまでに携わってきた仕事を頭の中で整理していた。





私の原点とも言える、あるイベントがあった。


クライアントの方々へ、日頃の感謝を伝える為に、何が出来るのか。
コレクションの世界観や想いを形にすること。



私が企画をしたのは、お花のコレクションからインスピレーションを得て、
ブティックの一角にお花屋さんをオープンさせる事。
そこにはブーケティエがいて、その場でクライアント一人一人にあったブーケを作りプレゼントをする。

用意されたブーケではなく、目の前で作って差し上げる、その人を想う気持ちを形に残したかった。





臨時のお花屋さんなど、簡単に通るはずもないと思った企画は、
ボスがもっと美しい企画を加えて、本国へ提案し夢を叶えてくれた。




そのイベントの為に本国からも出張者が来る事になった。




ブティックでは美しいお花のコレクションと、お花屋さんがオープン。


別のフロアはガーデンパーティーをイメージして、
芝をひき、あらゆる場所にお花を飾り、お花が溢れた空間。
そこでピクニック気分を味わってもらいたくて
プティフールは、持ち歩けるよう小さなバスケットの中にセッティングをした。




想像するだけでも美しい空間だが、
そこには決して忘れることの出来ない、お花の美しい香りが満ちていた。




私たちが感動してしまう程、
クライアントの喜びを目の前で感じられることが出来、ビジネスとしては成功したと私は思う。




その話をしている中で、

目の前に座っている彼女たちの、就職活動に疲れが出始めたその表情が和らぎ、

目に力が宿り始めた瞬間を見た。




もちろん、全員ではない。

しかしながら、確実に表情が変わっていく様子は、

やはり感性と愛に溢れた仕事が、こんなにも人々に華やぎを与えることが出来ることの証明と、

これを機に、迷える彼女たちの何かの導きとなればと思わずには居られなかった。




現在の激しい時の流れのなかで、インプットもアウトプットも完全に間に合わないまま、

それでも前に進まなければならない、
決断を迫られ踏み出さなければならない中で、


大切にすべき事。




誰でもなく私自身が大切にしているものに向き合えた時。





当時のボスにも感謝を伝えにいきたい。




そして、最後にもう一つ。
このイベントにおける最高に美しい空間を作っている前夜、私は大切な友人を亡くし、彼女のお通夜に出向いていた。


夜遅くにブティックに戻った時、
スタッフ皆がこの美しい空間を作っているその姿だけでも涙が溢れそうになり、


そして別のフロアへ移動する間、まだお花は見えていないのにも関わらず、
お花たちの美しい香りが、辺り一面に広がり

それを思い切り吸い込んだ先に、

天国のようにあたたかで、美しいお花が溢れたその空間に立った時、
身体全体が深く感動していた事を忘れられない。




3年前の出来事をこうして反芻するだけでもエネルギーが溢れてくる。





目に見えないものに本質が宿る。






2017/06/19

Femme magnifique





今日は、目の覚めるような美しいレモンイエローのパンツをお召しだった。




前回は吸い込まれるように美しく、深いグリーンのコーディネートでいらした。


トレードマークのブルーグリーンのアイシャドウ、
そして真っ赤なネイルに、ジュエリーも全て赤。





日本という枠を取り払い、
1ミリも感じさせる事なく、



比べることは私らしくないけれど、想像し易くするために、敢えて表現するならば



彼女のオーラは、普通ではない。

欧州にいても際立って目を惹くであろう。





ここは銀座。


やはりそこにはエレガントを伴った女性が集う。



それも素敵に歳を重ねた女性。






今日はゆっくりとお話する機会に恵まれ

75歳でいらっしゃることを知った。



素晴らしいと感銘を受け続けていた私に、
心を開いて下さったのか様々なお話をして下さった。




敢えて言葉にされなくともどれほど努力をされているか、努力という言葉が恥ずかしくなるほどに
その方には当たり前の生き方が、身体に染み渡っていて、

その美学がエネルギーで伝わる。

自然に圧倒されてしまう。







以前に出逢った別の女性。

オレンジレッドに染まったシルクのキャミソール。エレガントで繊細なレースを施した贅沢品とされるそのキャミソールを、ご主人と嬉しそうに選ばれたその情景が思い出される。



ブラック、オフホワイトと色がある中で


オレンジレッドは、今を楽しみたいから。

その理由で即決断された。





私ね、今を楽しみたいの。今を楽しみたいからオレンジにするわ。


そう仰り、
ジャケットのインナーとして、レースを少し魅せる着方をご主人にプレゼンしていた彼女は
80歳を迎える。




記憶に鮮明に刻まれる女性たち。




勝手な憶測に過ぎないけれど、
戦後の日本を懸命に立て直し、支えて来られた強く美しく素晴らしいこの2人の女性と私の美しい自慢の祖母も含め、


日本女性が目指すはここであろうと思う。




美しく生きることは誰にも遠慮をせずに生きること。大前提として精神が成熟していること。



履き違えてはならない。

美しさとは、誰に対しても遠慮はいらないが、他人への配慮や思いやりがあって成り立つものであること。



自戒をこめて。




二人のマダムへ敬意を表して。


2017/06/07

Sens




例えば月に一回美術館に行くよりも、


毎日お気に入りの洋服に袖を通し、

その素材の滑らかさであったり色の美しさやシルエットや、纏った瞬間から始まるうっとりする気持ちが
生きることへの感性を磨くのかもしれない。


洋服に限らず、ヒールだって同じく、



何か特別な日のために、ではなくて
毎日を生きる私たち。




そんなことを思い起こさせてくれた今日。






少しだけ気温が落ち着き、今日かもしれないと
オーダーをして先日届いたばかりのシルクカシミアのセーターに初めて袖を通した。




素肌に纏った時の心地良さと、身体に付かず離れずの絶妙なシルエットが気に入って、色違いでオーダーをした。




五感に訴えかける洋服。






近所に素敵なお花屋さんを発見し、

今日はベビーピンクのバラに決めた。




花を愛でる時間。


一つ、一つ、小さな幸せが重なり

美しいものを増やしていくことも、私が人生で愛することの一つ。



2017/05/20

Leur esprit






何度も反芻してしまう、美しい時



ハワイから一時帰国中の美しい女性と、彼女のパートナーと過ごした時間



ロンドンが拠点の彼との尽きないおしゃべり





皆に共通している事は、深い瞳と強く美しい魂。




繊細さが故に、感情の起伏は人知れぬ苦しみと葛藤があるに違いない

けれど人生に、より深い喜びと感動を齎してくれるはずだと私は信じている




身の回りに起こる全ての美しいことは、それらを繊細に感じとれる感性があるからこそ





陰陽のバランスで成り立つこの世界において


陽が深まれば深まるほど、陰を受け入れることの出来る器も必要、即ち、強さがなければ

真に味わい尽くすことは出来ないのだと思う






母国語が異なり、全てを同じ温度差で理解することは出来なくとも




彼らが持つ、隠しきれない深い瞳の奥に

世界を美しくしようとするその美しい精神、そこにはエゴとは対極にある神聖な想い、


世界を美しくする方法を知っている彼らとの時間は、今でも静かに私を深く感動させる







2017/05/04

Takumi



魂から美しい人。







最後にシェフが、自らデザートを運びに来て下さったその時



彼の中に漲る静かな美しい想いを、

料理人としての魂を、

一人の人間が持つ魂の美しさに私は感動した。









なんという芸術なのだ、と。


何度もため息が溢れてしまう見た目麗しいお料理の数々。







それらは口の中に入った時、さらに私たちを高揚させ、

様々なインスピレーションを与えてくれる。





そう、インスピレーションをわかせてしまうお料理であった。








ふと気付いたことがあった。

お料理を運ばれる方は、テーブルの上にお料理を置き
何も言葉を発さずにそのまま立ち去る。


なぜだろうと考えた時、カトラリーと一緒に運ばれていたメッセージ入りの小さな紙の存在に気付いた。




そこには、一品ごとのお料理に込められた想い、

そのお料理に使われている素材に対する想い、


すなわち、命に対する敬意が溢れていた。






言葉で説明をすることは、訪れた側がその想いを聞いてからお料理を頂くことになる。


運ばれた瞬間の、お料理が最も美味しい瞬間を味わって欲しい、
命に対する敬意があるから、命を頂くことへの感謝として美味しく味わって欲しい、





シェフは、素晴らしい才能を持ちながら、どこまでも自分ではなく

相手を想う気持ちに溢れている方。





その美しい想いはお料理にそのまま溢れていて

だから人を感動させてしまう。






帰り際、メッセージが入ったその紙を頂こうとした時、
全てのお料理の分を纏めてきましょうかとお店の方が仰り
ご丁寧に封筒に入れてお持ち下さった。



裏には、シーリングワックスで留められた美しい仕掛けがあって、
手を触れると、まだ温かかった。




28歳のシェフ。




人生は、どれほど美しく、

そして強い想いに溢れて、生きているか。







http://restaurant-takumi.com/










































2017/04/01

Rouge





赤を久しぶりに選んだ。



想像を遥かに超えた美しいエネルギーが包み込む。


美しさとは調和。





存在するだけでこんなにも人に華やぎを与え、人を魅了する。







Rose










日々というものにどんなに追われても、頭の中にいる人は決まっていたりする。




どんなに時間が無かろうと、色褪せる事なく

その中で鮮明に浮き立つもの。




人生の中で
本当に大切な、人たちとの出会い。





今日は、白ではなく、赤だと、
決めて出掛けた先に


私でしょという声が聞こえた気がして



持ち帰った。






大切な人たちへの褪せることのない、時空を超えた想いを胸に。







2017/03/28

Miracle




3月という季節の変わり目のこの頃、




彼女とご縁のあった人たちは皆、

特別に彼女を強く想うだろう。


特別な能力があった彼女は、先のことが視えていて、
その能力、即ち彼女の存在、愛そのものは、どれほど沢山の人々を救い、人々を勇気付け、


今もこうして彼女を想うだけで見守られているのだと感じられる。




その彼女が昔よく話していたことの一つに、奇跡が日常的に、当たり前に起こる世の中になっていく、と。




5年が経ち、今ならそれが心から理解出来るし、体感も出来る。




先日、大切なクライアントの方々へお手紙を書き投函したばかりのタイミングで


まだ届いていないのにも関わらずメッセージを頂いたり、
都内にはいらっしゃらないはずの方が、目の前から歩いてこられ、3秒遅かったら出会えなかったであろう嬉しい再会をしたり、


海外からいらした女性は、私のスケジュールは知らないのにも関わらず、会いに来てくれ、私たちは感動の再会を果たすことができた。


どれほどお礼を伝えても足りないほどの時間を過ごし、
暫く経ってから、彼女が戻ってきたので、どうしたのかと思ったら、わざわざギフトを用意し届けてくれた。
母国語ではない国で、彼女の気持ちや行動を想うだけで胸がいっぱいになってしまう。



その彼女が戻ってこられた時、別のクライアントを担当していた私とクライアントを気遣ってくれた彼女。
クライアントの方同士がお互いを褒め合う姿も美しく、
そして、彼女らが口に出して伝えてくれた私への想いは、神様からのギフトであったと思える。





人が真剣に何かに取り組む時、
自我を超えて、真摯に生きる時、


必ず世界が味方をすると強く信じている私の頭にあった、深い疑問に対する答えは、



まさかこのタイミングでと思えるほど、予想もしない時に
久しぶりに打たれたような感覚があったほど、衝撃的で


全てが吹き飛ぶほどのエネルギーと
ただただそこには愛があり



それもまた奇跡であり、
奇跡が起こるこの日常を愛おしく思う。





2017/01/15

Vêtements






美しさを纏うための洋服を、決して機能性で選ばないでほしい。



ため息が出るような美しいデザインの洋服の殆どが
身に纏うだけで、緊張感を与え、肩が凝ってしまうかもしれないけれども、


貴方が考える以上に、美しさを齎し
何より、袖を通した時の高揚感は、他の何にも代え難い。




選ぶ基準は、纏った自分が美しいか否か。

美しさを基準に選んだ洋服は、自然と背筋が伸び、歩き方も優雅に、
エレガントな雰囲気を醸し出してくれるはず。




着て行く場所がない。

それならば予定を作ればよいでしょう。
それも含めて楽しい人生が待っている。





アームホールが狭くて腕が上がらない。

腕が上がらない方がエレガントに振る舞えると思うのは私だけだろうか。
アームホールの小ささは、より一層女性の身体を美しくみせてくれ、洗練さが漂う。






そして、何より、自分が決断をし、
ご縁があって迎え入れた洋服を慈しむ心。


その想いは

周りに愛を齎すでしょう。



美しいものには、愛があるから。









2017/01/02

時間








年が明け、ほんの僅かなリラックスが出来たその時



自分がいかに生き急ぎ、ここまで来たかに気付いた。



人間は、誰に何を言われようと

自らの手で気付かなければ、気付きはもちろん、
変える事も出来ない生きもの。







時間をかけなければ、築き上げられないもの。



私が望む、真に美しいものは全て簡単に手に入るものではない。



簡単に成り立ってしまうものは、崩れることも容易い。




美しさ、そして
人との美しい人間関係も、時がお互いをクローズアップさせ、
磨かせる。






焦らずに、
時間をかけることの意味をかみしめながら。